過程を計算する
描く、確かめる、計算する——計算スペースがするのはこれです。ダイアグラムから断面積まで、モデルが導く規則を通って。
ダイアグラムを描く
キャンバスは移動(選択ツールで背景をドラッグ)、拡大縮小(トラックパッドのピンチピンチ、ツールバーの ± ボタン、⌘+Ctrl + / ⌘−Ctrl −)、そしてダイアグラムへの中央寄せ(⌘0Ctrl 0 または中央のボタン)ができます。倍率は右下に出ます。ツールは三つ、ツールバーにもパレットにもあります。
| ツール | 操作 | はたらき |
|---|---|---|
| 頂点 | キャンバスをクリック | 頂点を置きます。外線の自由端の上に置くと、そこにつながります。 |
| 線 | 頂点から頂点へドラッグ | パレットで選んだ粒子の内線(伝播関数)。 |
| 頂点から何もない所へドラッグ | その頂点から出ていく外線。 | |
| 何もない所から頂点へドラッグ | その頂点に入ってくる外線。 | |
| 選択 | クリック、ドラッグ | 頂点や外線の端点を選んで動かします。解析タブの選択欄にその性質が出ます。⌫Delete か削除ボタンで消えます。 |
描く粒子欄には、モデルの場が表示名(、 …)、モデル記述言語での名前、PDG のモンテカルロ番号とともに並びます。粒子にポインタを重ねると、スピン、電荷、色、質量、幅が吹き出しに出ます。
外線にはそれぞれ番号が振られます。これが規則と振幅における運動量 です。外線を選ぶと、粒子を変えたり(場)、反粒子に切り替えたり、時間の向きが判定しない場合に向きを自分で決めたりできます。内線を選べば、その場と、粒子がどちら向きに流れているか(始点 → 終点、流れを反転)が分かります。
時間の向き
初期設定では時間の向きで外線を判定が有効です。するとキャンバスは、本を読むようにダイアグラムを読みます。外線が頂点に対して時間軸(時間 → または時間 ↑)のどちら側にあるかで入射か出射かが決まり、矢印が時間をさかのぼるフェルミオン線は反粒子です。外線をドラッグしている間、パレットが「離せば何になるか」を教えてくれます。
このオプションを切れば、外線ごとに入射 / 出射と粒子 / 反粒子を自分で決められます。見慣れない配置で描いたダイアグラムに便利です。時間の向きは計算には一切影響しません。読みと、入射の外線を一方に、出射の外線をもう一方にそろえる整列にだけ効きます。
確かめる:解析タブ
解析は変更のたびにやり直されます。先頭には過程(たとえば )、外線・頂点・内線・ループの数、続いて判定:
- 整合したダイアグラム(対称因子とフェルミオンループの数つき)、または
- エラー(カーネルのメッセージは英語です):頂点に線が二本しかない、ダイアグラムがつながっていない — 頂点の近くで終わっている外線は接続されていません —、あるいは e ve W という頂点がこのモデルにない。最後の場合には、それらの場の多くを共有するモデルの頂点が列挙され、忘れられた反粒子を見つける助けになります。
続いて、頂点(各頂点に対応する規則と、その入射運動量)、内線の運動量(各伝播関数と、その運動量を で表したもの)、フェルミオン鎖(スピノルを読む順序 — マヨラナ場があれば各鎖の向きも)、そしてファインマン規則と振幅:LaTeX による頂点と、組み立てられた振幅 (スピノル鎖と伝播関数を明示)が並びます。
解析的 ⟨|ℳ|²⟩の欄は、その過程の有効なダイアグラムすべてに記号エンジンをかけます。ディラックのトレース、偏極和とカラー和、始状態についての平均、結果は で。書き方を簡単にするチェックが三つ:質量ゼロを省略、u = Σm² − s − t、cW² = 1 − sW²。
複数のダイアグラムと自動生成
ダイアグラム欄が、書類に含まれるダイアグラムの一覧を保ちます。+ は空のものを追加、⧉ は外線を保ったまま現在のものを複製(同じ過程の二枚目を描くのに便利)、− は削除です。各ダイアグラムの前のチェックボックスが、それを振幅の和に入れるかどうかを決めます。すべてのダイアグラムで一括チェック・解除ができ、「n 件を合計」というカウンタが実際に合計される枚数を示します。この選択は書類とともに保存されます — ひとつのチャネルだけを取り出したり(Z だけ、t チャネルだけ)、入れた場合と外した場合を比べて干渉を測ったりするのに便利です。
生成は、現在のダイアグラムの外線が定める過程について、ツリーレベルのダイアグラムをすべて数え上げ、自動で配置し、頂点と伝播関数にちなんだ名前を付けます。二通りあります。足りないダイアグラムを追加は、あなたの絵に手を触れずに補います(重複は配置によらず見分けられます)。すべてのツリーダイアグラムで置き換えるは一から作り直します。
計算タブの計算はすべて、現在のダイアグラムと同じ過程を表す、書類中の有効なダイアグラムの振幅の和について行われます。入射粒子と出射粒子が同じであればよく、外線をどの順に引いたかは問いません。番号 は現在のダイアグラムのものに自動でそろえられます。合計されたダイアグラムの枚数は結果ごとに示され、外されたものは理由(チェックが外れている、無効、別の過程)とともに列挙されます。一枚だけの寄与を取り出したいときは、ほかを削除するか、書類を複製してください。
計算する:計算タブ
の散乱なら、√s(GeV)と cos θ(重心系での散乱角)を入れて計算。(始状態のスピンとカラーで平均、終状態について和)、その角度での (pb)、 の表、そしてガウス–ルジャンドル求積で積分した全断面積が得られます。クーロン極をもつ過程(バーバ、低エネルギーのコンプトン…)では全 が発散するので、 のカットが使えます。 の曲線は縦軸 対数にでき、書き出しもできます(後述)。
式と計算の手順のグループは、計算中も計算後も、カーネルが何をしているかを見せます。縮約されたテンソル網、ヘリシティについてのループ、平均の因子、 の換算()。計算はすべてのコアを使います。
エネルギーに対して描く
エネルギー依存のグラフ:√s … 〜 …、点の数、対数か線形の目盛、量(全 、ある での 、または )を指定して描画。軸はデータに合わせて調整されます。モデルでボソンの幅が宣言されていれば、共鳴のピークが現れます。√s 対数のチェックは点を対数的に並べ(横軸も対数に)、縦軸 対数のチェックは計算し直さずに縦の目盛だけを変えます。
グラフ(または虫めがね)をクリックすると、大きさを変えられるシートに拡大表示されます。設定も書き出しメニューも同じです。どのグラフにも — エネルギー依存のものにも の曲線にも — 書き出すメニューがあります:PNG 画像(倍の解像度)、PDF 書類、SVG 図形(ベクター)— 論文向けの体裁で、枠つきの軸、グリッド、対数軸の 目盛、最大値の注記 — あるいはCSV データ(表の全列)。表題には過程とエネルギーが入ります。
崩壊
ダイアグラムの入射外線がひとつだけのとき、計算タブは静止崩壊のためのものになります:部分幅 Γ(二体は閉じた式、三体はダリッツ積分)、寿命 τ = ħ/Γと半減期 T½、そしてモデルが親粒子の全幅を宣言していれば分岐比も。
と は、合計したダイアグラムが幅のすべてを成すと仮定しています。ミューオンや荷電パイ中間子ならそのとおりですが、Z では分岐比をお使いください。終状態の同種粒子には の因子が自動でつきます(、、)。
の先へ:モンテカルロ
、、… では、位相空間をモンテカルロ(RAMBO アルゴリズム)で積分します。望む点数と、カット(終状態各粒子の最小エネルギー、各対の最小質量、ビームに対する の上限)を指定します。結果には統計誤差が付きます。質量ゼロの光子やグルーオンが放出される場合(ソフト発散・コリニア発散)、カットは欠かせません。
理論タブ
現在のモデルのソースを表示します:相互作用ラグランジアン、場、パラメータとその値、そして導出された全頂点の折りたたみ可能な一覧。内蔵モデルなら複製して編集、ご自分のモデルなら編集して適用 — 構文の誤りは行番号つきで示され、ダイアグラムは新しい規則で解析し直されます。書き出す…はモデルを .feyn ファイルに書き出します。共有にもバージョン管理にも。
UFO から読み込んだモデルでは、出どころ、場・頂点・パラメータの数、そして読み込みメモ(飛ばした頂点、規約)が示されます。その規則は編集できません。元の FeynRules モデルを直して読み込み直してください。